砂防学会長
立命館大学教授
里深 好文

 この度、公益社団法人砂防学会の学会長を務めることになりました里深好文です。
 私は1989年に京都大学防災研究所砂防部門の助手となって以来、水路実験や数値解析による流砂・河床変動とその制御を中心とした研究に取り組んでまいりました。2002年に京都大学大学院農学研究科森林科学専攻の助教授となり、山地流域の降雨特性や渓流堆積物中の水分動態といった「流れの外側」にも研究の対象を広げました。また、汎用土石流シミュレータの開発を始めたのもこの頃です。砂防に関わる多様な研究が活発に行われている山地保全学研究室の一員となったことが、私の興味の範囲を広げてくれたのだと、今もありがたく思っています。2008年に縁あって立命館大学理工学部の教授となり、砂防領域だけではなく河川領域も研究対象としました。研究室の名称を「流域デザイン」とし、河川源頭部から河口部までの流域全体を安全にするための研究を展開しています。学生会員だった頃を含めますと、約40年砂防学会の会員としてその恩恵にあずかってまいりましたが、今回、会長として恩返しをする機会を得ましたこと、大変名誉なことであり、身の引き締まる思いです。毎年、私の研究室の卒業生数名は砂防に関わる仕事に就いてくれており、砂防学会研究発表会で彼らと顔を合わせることが私の大きな喜びとなっています。学会員の皆様にも活発に交流を深めていただき、多様な形で学会員であることの価値を実感していただきたいと願っております。今後、より一層、会員の皆様の日頃の業務や研究に役立つ学会となるよう、お力添えをいただきながら尽力してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。