砂防学会九州支部設立の目的

九州・沖縄は温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれている一方、大雨や台風の襲来が多く、脆弱な地質や活動的な火山も多く分布し、また都市部では山麓・丘陵地まで宅地開発が進んでいることから、土砂災害が多発しています。
特に最近の傾向として、降雨量、降雨強度がともに以前より著しく大きくなり、さらに火山噴火も相次いでいます。
他方で、日本は人口減少時代に入り、山間地だけでなく都市近郊においても住民が高齢化して、緊急時の防災行動能力の低下はもとより、災害を受けた後の地域復興力の低下も心配されます。このように、土砂災害のリスクは確実に高まっており、土砂災害を専門とする砂防学会とその会員の役割は益々重要になっています。

こうした状況に鑑み、このたびの砂防学会九州支部設立の目的は、
第一には災害発生時の専門的な調査を迅速に行い、関係機関と市民に適切な情報提供を行うことにより二次災害防止や災害復旧に貢献すること、
第二には砂防技術者の自己研さんや若手技術者の人材育成を支援する研修活動を進め、地域の砂防技術力の向上を図ること、
第三には専門性を活かして防災講演会等を関係者と共同で開催し、防災・減災の思想と知恵を社会に発信すること
です。

関係各位のご協力をお願いいたします。