第8回12・6蒲原沢土石流災害調査委員会 記者発表資料



                             平成9年5月27日
第8回12・6蒲原沢土石流災害調査委員会 記者発表資料
                              (社)砂防学会

1.5月26、27日の現地調査(第7回委員会)で、以下の点が確認された。

1)1300m付近で発生した崩壊について
  ・1300m付近の崩壊地の地質は、大局的にはジュラ紀の堆積岩からなる来馬層群の上に第四紀の風吹火山噴出物が載っている。
・12月6日の崩壊は、来馬層群と火山噴出物の境界で発生し、崩壊した土塊は主として安山岩質の溶岩など火山噴出物よりなると考えられる。
・来馬層群と火山噴出物の境界面上を相当量の地下水が流出している。崩壊地内には5カ所の湧水点が確認された。(4月28日)

2)崩壊地の土質について
・崩壊地内で採取した土の資料を分析した結果、12・6土石流発生直後に上流側谷止工右岸側の作業ヤード付近で採取された堆積物と同じように広い範囲の粒径分布持つが、比較的細粒分が多く、シルト質砂礫に相当することがわかった。

3)上流側谷止工右岸側の作業ヤードの堆積物について
・作業ヤードには約1m程度の厚さで土石流堆積物が存在している。
・直径数10cm程度のレキは、安山岩質のものが多い。
・堆積物全体の組成をみると、直径数10cm程度のレキを除き、来馬層群起源のものが 多く、土石流の流下する過程で渓岸等に存在した来馬層群起源の土砂を取り込んだ可能性がある。

2.平成9年4月に発生した崩壊について
・平成9年4月に標高1300m付近の崩壊地の上部がさらに崩壊した。
・4月1日の空中写真では確認されず、4月9日の斜め写真で確認された。
・正確な時刻は不明だが、4月5日昼に初めて川の濁りが確認されている。
・平成8年12月7日と平成9年4月17日の航空写真を比較した結果、崩壊地頂部は約20m 後退し、崩壊の規模は20,000m3である。16,500m3の土砂が蒲原沢に流出し、主として二股より上部に堆積した。

3.今後の予定
次回委員会(6月21日)で最終報告をとりまとめる。


蒲原沢土石流災害調査委員会に関する問い合わせ先

 砂防学会事務局長・窪田順平
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