第4回記者会見資料


12・6蒲原沢土石流の発生原因について

1.土石流発生のメカニズム

 今回の土石流は、標高1,300m付近の右岸山腹斜面で発生した崩壊が引き金となったという意見が委員の大勢を占めている。


2.土石流の流下・発達・堆積過程について

 今回の土石流は、現地の聞き込み及びVTR画像によると、旧国界橋付近に土石流が到達した時刻が平成8年12月6日10:30頃、確認できた土石流の発生回数は5回、土石流が終息した時刻が同日の12:30頃であるものと推測できる。

 土石流の痕跡を解析した結果、第1波の土石流の水深は上流部で3m程度、治山ダム・砂防ダム付近で5m程度であることがわかった。


3.蒲原沢周辺の気象条件ならびに今回の土石流発生時の気象条件について

 気象条件、特に降雨量・融雪量の解析からは、平成8年6月の雨と比較しても、さらに危険な状態とは言えない。


4. 蒲原沢における土石流の発生等について

 今回の土石流の発生源は、標高1,300m付近の崩壊地であるとの見解を得たが、その崩壊の発生原因については、今後の現地調査の結果により判断する必要がある。


「施設の被災原因について」

1.治山及び砂防施設の被災状況について

(1)治山施設の被災状況

・上流側谷止工については、土石流によりダム上端から約6.6〜6.7mの部分から上部が被災した。

・下流側谷止工については、航空写真やビデオ等から見ても存在が確認されていないので、流下した模様。

(2) 砂防施設の被災状況

・ 上流1号及び2号ダムについては被災無し。


2.被災原因について

 被災原因については、種々の議論を行ったが、今後、土石流衝撃力等の分析、現地調査を踏まえた中で検討を継続することを確認。


「12・6蒲原沢土石流の流下時系列について」


蒲原沢土石流災害調査委員会に関する問い合わせ先

 砂防学会事務局長・窪田順平
 e-mail: jkubota@cc.tuat.ac.jp


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