新潟県中越地震土砂災害調査研究委員会(案)

土屋 智(研究開発部)
1.委員会設立趣旨
 2004年10月23日17時56分に新潟県中越地方において発生したM6.8の地震(新潟県中越地震)では,長岡市,小千谷市,山古志村,川口町等で甚大な地震被害が発生した。観測した地震加速度は,川口町において最も大きく本震時に1722ガル,18時34分の余震時に2515ガルを記録した。このため,山古志村では,村内の至る所で斜面崩壊が発生したほか,道路などのライフラインが寸断され全村避難の継続を余儀なくされている。村内を流下する芋川は発生した斜面崩壊により数カ所で天然ダムを形成し,降雨時には決壊や土石流の発生を想定せざるを得ない状況がみられる。(社)砂防学会では,このような大きな地震災害を生じた斜面崩壊や地すべりなどについて,発生からその後の二次移動まで含め実態把握を行い,地震時の土砂災害の特徴を明らかにする目的で,新潟県中越地震土砂災害調査研究委員会(仮称)を設立することにした。

2.委員会構成
地震時の土砂災害の特徴を総合的に把握し明らかにする必要があることから,委員会構成は以下の通りとする。

委員長
 土屋 智(研究開発部会長,静岡大学農学部)
副委員長
 鈴木雅一(総務部会長,東京大学農学生命科学研究科)
委員 
 松村和樹(京都府立大学農学部)
 林 拙朗(三重大学生物資源学部)
 近藤観慈(三重大学生物資源学部)
 石川芳治(東京農工大学農学部)
 川田孝信(砂防フロンティア整備推進機構部長)
 池田暁彦(砂防地すべり技術センター)
 小田晃 (財)建設技術研究所
 *川邉 洋  新潟大学農学部 教授
 *丸井英明  新潟大学積雪災害センター 教授
 *北原 曜  信州大学農学部 教授
 *渡辺直喜  新潟大学積雪地域災害研究センター 講師
 *権田 豊  新潟大学農学部 助手
 *執印康裕  東京大学大学院農学生命科学研究科
 *井上公夫  日本工営(株)事業統括部副技師長
 *小川紀一郎 アジア航測(株)新砂防プロジェクトマネージャー
 *は「平成16年新潟県中越地震土砂災害砂防学会調査団」メンバー
事務局
 平成16年度砂防学会研究開発部会

3.調査研究活動
1)平成16年新潟県中越地震土砂災害砂防学会調査団による概要報告
2)地震と斜面災害に関する発生場としての特徴
3)斜面崩壊,地すべり,土石流などの形態的な特徴
4)地震後の緊急対応,地震後の降雨時の対応
5)地震後の天然ダムの形成とその対処
6)警戒避難基準等
7)積雪・融雪時の対応

4.研究会の活動
 研究会の活動は,2004年11月から約1年間とする。

5.成果物
 成果物は「新潟県中越地震土砂災害調査研究(仮称)」として,公表する(砂防学会誌スペシャルとするか,別途出版物とするかは未定)

6.研究費
 必要旅費,消耗品等とする

社団法人 砂防学会
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館内
Phone :(03)3222-0747 Fax :(03)3230-6759