台風8号による台湾の土砂災害に関する砂防学会調査団の派遣
研究開発部会
1.概要と目的
台風8号は、8月7日から11日にかけて我が国のみならずフィリッピン、台湾、中国に多大な被害をもたらした。とりわけ台湾では総降水量2,400?3,000mmと台湾の年平均降水量に匹敵する降雨をもたらし、台湾中・南部を中心にほぼ全土にわたって地すべり、土石流、落橋、洪水氾濫が発生し、600人以上の死者を出し現在もなお行方不明者の捜索が続けられている。
台湾ではここ10-20年ほどの間に大災害を発生させる降水量が一雨(せいぜい3日間)で1,000mm程度から1,500?1,800mm、そして今回の3,000mmと増大してきており,その降雨範囲も広くなる傾向にある。この一雨の降水量が増大する傾向は我が国においても見られ、一雨1,000mmを越す雨もめずらしくなくなってきていること、その際に甚大な災害を被っていることを考えると、一雨で年平均降水量程度の雨が降り、かつその範囲も広範囲におよぶ可能性を検討しておく必要があると考えられる。
こういった観点から、砂防学的見地から、降雨分布、崩壊や地すべり、土石流の発生分布、決壊した天然ダム、残存している天然ダムの分布、土石流や洪水の氾濫域、橋梁の流出と河床変動、側岸や護岸の侵食など災害の実態を把握し、災害の拡大防止のための事前の対策のあり方、災害発生時の適切で早期の対策のあり方、2次災害の防止策とその対策計画のあり方、効果的な復旧活動計画のありかた等、我が国の防災対策に資することを目的として調査を実施する。
2.現地調査時期
本年12月を目処に調整している。
3.現地調査地域
降水量の多い台湾中・南部の屏東県、台東県、嘉義県、高雄県など。
4.現地調査団
調査団長 |
宮本邦明 |
筑波大学大学院生命環境科学研究科 |
調査団 |
地頭薗 隆 |
鹿児島大学農学部 |
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権田 豊 |
新潟大学農学部 |
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今泉文寿 |
筑波大学大学院生命環境科学研究科 |
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堀田紀文 |
東京大学大学院農学生命科学研究科 |
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藤本将光 |
京都大学大学院農学研究科 |
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原 義文 |
(独)土木研究所土砂管理研究グループ |
5.その他
本調査の円滑な実施のため、中華水土保持学会及び中華防災学会からの招聘による(社)全国治水砂防協会理事長を団長とする10月11〜17日の地すべり学会・土木学会等との合同調査団に、宮本団長及び権田団員を派遣しています。
今後の調査の動向は、砂防学会HP、砂防学会誌等を通じて随時行います。
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