砂防水理模型実験 動画集
(写真:平成25年度砂防水理模型実験講習会)
砂防分野においては、現地調査・観測、数値計算により現象の確認が難しい場合、空間的・時間的に詳細な現象の確認が必要な場合等に、
砂防水理模型実験により現象の把握を試みます。
ここでは、技術者・学生等の直感的な理解に資するため、砂防水理模型実験の代表的な事例について、動画を掲載しています。
動画提供:公益社団法人砂防学会、一般財団法人建設技術研究所
※本動画は、平成25年度砂防水理模型実験講習会において配布を行ったものです。
1.土砂移動の形態に関する実験
1.1 掃流砂 実験条件:水路勾配2°
・河床を掃くように土砂が流れます。
・各個運搬とも呼ばれます。
動画 (wmv形式、約6MB)
1.2 土砂流 実験条件:水路勾配7°
・土砂が水面まで達せず、水の流れの層と土砂の流れの層が形成されます。
・土石流と掃流砂の中間的な形態です。
・掃流状集合流動とも呼ばれます。
動画 (wmv形式、約7MB)
1.3 土石流 実験条件:水路勾配15°
・土砂が水面まで達し、土砂と水が一体となって流れます。
・土石流と河床の間において、砂礫の交換が盛んに起こります。
動画 (wmv形式、約7MB)
2.砂防施設に関する実験
※現行の技術基準では、基本的に、透過型砂防堰堤の格子間隔は土石流の95%粒径の1.0倍程度に設定することとされています。
2.1 透過型砂防堰堤 格子間隔は土石流の95 %粒径の1.5倍 流木無し
・透過型砂防堰堤の格子が土石流先頭部に集中した巨礫により閉塞し、土石流が捕捉されます。
2.2 透過型砂防堰堤 格子間隔は土石流の95 %粒径の2.3倍 流木無し
・透過型砂防堰堤の格子が、土石流先頭部に集中した巨礫により一時的に閉塞しますが、
格子間隔が土石流の粒径に対して大きいため、
閉塞構造が崩れ、土砂を捕捉した状態を保つことができず、下流に土砂が流出してしまいます。
2.3 透過型砂防堰堤 格子間隔は土石流の95 %粒径の2.3倍 流木有り
・透過型砂防堰堤の格子が流木と土石流先頭部に集中した巨礫により閉塞し、閉塞構造が維持され、土石流が捕捉されます。
2.4 不透過型砂防堰堤(砂防堰堤に土砂が堆積していない場合)
・流木は一部捕捉されますが、水に浮かんで下流に流下するものもあります。
・砂防堰堤が満砂するまで土砂を捕捉します。さらに、満砂後もその上面に、下流へ土砂を流下させつつも、土砂を捕捉します。
(砂の堆積勾配(堆砂勾配)が、もともとの河床の勾配よりも緩い間は土砂を捕捉します。)
3.天然ダム(河道閉塞)の決壊実験
水路幅100 cm、高さ70 cm、天端幅50 cm、天然ダム上下流法面勾配1:4
水路勾配1 °、模型縮尺1/100、時間の縮尺1/10、流量の縮尺1/100,000
上流からの供給流量1 l/s、
今回の天然ダムの決壊実験でのピーク流量は、50 l/s程度(※動画からの目視による大まかな推定値)と推定されます。天然ダムの形状や
構成する材料、湛水量、上流からの供給流量等の条件が異なれば、ピーク流量は変化します。
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